面白きこともなき世を考えて

子育てと競争戦略とゲームと日々のあれこれを適当に。

それでも仕事はなくならないよ。社会的な生き物としての人間。

読みました↓

ロボットが人間の仕事を奪って何が悪い。失業“問題”という思い込み | ドウデモイイコト。

結論から先に述べておくと、自分はこの方の意見に概ね賛成。


よくわからないんだけど、「ロボットに仕事取られて困る派」の人たちは、どんな未来を想像しているのだろうか?

例えば、500年前よりは明らかに現在の方が機械化、自動化があらゆる面において進んでいるわけですが、はたして失業はどれほど増えたのでしょう?

長い目で見れば、基本的には一次産業の機械化、自動化により食料調達が簡単になった結果、今の先進国では三次産業の比率が圧倒的に高まっています。

もちろん短いスパンで見れば、機械化の狭間の中で一時的に職を失うことはあるでしょうが、普通に考えてそんなときことそ役に立つのが国家であり社会保障という仕組みのはずです。

各現場で人間とロボットの置き換えが進んだところで、社会全体が生み出す財(=モノやサービス)の量は変わらないか増えるはずです。その上でまだモノが不足しているのであれば失業者はそこに充当されるでしょうし、足りているんであればわざわざ仕事なんかする必要はないわけで、手が空いた人は素直に遊んで暮らせばいいと思うんですよ。

そう。まず機械化、自動化による大前提はそれによって社会全体が豊かになることなはずです。

社会全体が貧しくなるのにロボットの開発が進み、跳梁跋扈するということにはならないはずなのです。そんな状態では現状同様せいぜい研究部門止まりだと思います。

今、人間が行っている仕事を機会が奪っていくということは、全体で見て機械に任せた方がよかろうという話になるからそちらに向かっていくマクロな力が働くわけです(ややこしいが)。

なので、その時にはロボットに職を奪われた失業者と同時に、ロボットが生産した余剰な消費財があると考えるのが妥当です。

そんな時何が起こるのか?デフレでしょう。

失業によって消費者の所得は下がり、機械化により生産物のコストは下がる。

そうなると必然的に物価は下がり、それこそ最低限の社会保障でも今よりもずいぶん裕福な暮らしができるようになっているはずです。


また、そんなときに社会保障が存続している保証がない!という意見もあるようです。

まあ確証はないですが、存続している可能性は高い、と考えたほうがいいと思います。

そもそも社会保障、わかりやすくすると生活保護が存在する理由は何か?

人道的な観点からいきますと、憲法に保障された健康で文化的な最低限度の生活を誰もが享受できる社会の実現ということになります。

が、こちらは今の枠組みの中でしか機能しません。
非人道的なマッドサイエンティストに支配されたら、裕福な層とロボットだけが生き残る社会が実現するかもしれません。

それよりも、生活保護にはもう少し合理的な存在理由があったはずです。

それは犯罪の抑制、治安維持です。

世の中に失業>貧困>犯罪という流れで堕ちていく人が増えると、治安維持のためのコストが圧倒的に高くなります。

貧乏人を追い詰めて、犯罪者にしてから一網打尽にするよりも、生活保護費を与えて、犯罪に走る一歩手前で止めてあげたほうが、裕福な人たちにとっても結果的にはプラスに働くのです。と言われています。

そう考えると、仮にロボットが一世風靡して今よりも失業者の比率が圧倒的に高くなったとしても、その人たちを一気に切り捨てるような方向に社会が傾く可能性は低いと思います。

なんといっても、そんな社会の上流にいる方たちは頭がいいですからね。


さらに、ここからはもっと妄想的な話になりますが、やっぱり人間の仕事はなくならないと思います。

衣食住といった人間が生きていくうえで必要な大半の部分がロボットの役目になったとしたら仕事の持つ意味は変わってくるでしょう。

現在のような「生きるため、稼ぐための仕事」から「モテるため、趣味としての仕事」に仕事のスタンスが大きく移り変わっていくのではないでしょうか?

人間は社会的な生き物です。

ただ、生きるだけなら発達した機械化と社会保障によって不自由ない時代がくるとします。

そうすると、仕事は完全に趣味の領域になります。

より便利で高度な機械を開発するのもまた趣味になります。

毎日ニコ動を見ながらゲームをするのもまた趣味になります。

そんな趣味と仕事の境目がなくなって、ただただ仕事がないよりも仕事してた方がモテるから、などという軽い理由で働く、ないしは趣味を見つける人が増えてくるのではないかと思います。

まったく働かないで、ただ消費するというのは案外苦痛ですし、みんなが働かない中で自分だけ働いたら差別化につながってモテそう。

こうして、承認欲求を満たすため、ブラック企業風に言うと「やりがいを得るため」に働く人が増えるのではないでしょうか。

それも、好みの女性のロボットが全員に支給されたらいらなくなってしまう感情かもしれませんが。


適当にここまで書き連ねてみましたが、まあ批判している人とかは見ているスパンが短くて、肯定的に見ている人はより大きなスパン、枠組みでとらえてるんじゃないですかね?

見解の相違というよりは議論の前提が食い違ってる感じ。

まあ、自分は短いスパンで仮に今の仕事を失うとしても、ロボットが歩き回る未来を見てみたい。

だって、かっこいいじゃん、ロボット。


※どうでもいいけど、元記事を書いた人が同じ会社の人でびっくりした。世の中狭いねえ。