面白きこともなき世を考えて

子育てと競争戦略とゲームと日々のあれこれを適当に。

人類1万3000年の歴史から私が得た教訓

たまには書評というか最近読んでいた本から得た気づきを適当に紹介。

読んでいたのはこちら↓

今年は一般教養をちょっと身につけたくて、歴史の勉強中なのです。

というわけで、以下に読んでいた気づきを羅列します。


マンモスが絶滅した理由は人類に出会うのが遅かったから

この本によると、かつてマンモスが絶滅したのは人類と出会うのが遅かったかららしいです。

隕石説とか氷河期説とかいろいろあるのでこの主張がほんとうに正しいかどうかはわかりませんが。

曰く、アフリカで生まれた人類は大陸伝いに徐々に地球全体に進出していきます。

その順序で行くと、アフリカ⇛ユーラシア⇛アメリカ⇛オーストラリアと言った感じで、かつてマンモスがいたアメリカ大陸に人類が到達するのはけっこうあとになります。

アフリカ大陸では人類が誕生し、道具や文明の発展を周囲の動物と一緒に行なっていたので、進化する人間に対し、動物も少しずつ進化して対処のしようがありました。

それに対し、アメリカ大陸に人類が進出したのは遅かったので、反対にいうと、けっこう進歩したあとの人類がいきなりマンモスの前に現れたわけです。

ドラクエ3でアリアハンを出た瞬間にバラモスに遭遇するようなもんです。

マンモスはいきなり現れた人類を危険かどうか判断する、もしくは回避の方法を学ぶ前に、あっという間に乱獲されて絶滅してしまったというわけです。

侵略すること火のごとし、兵は神速を尊ぶ、といった趣ですね。


ユーラシア大陸が発展したのは東西に伸びているから

アメリカにヨーロッパ人が入植する前、世界の文明の大半はユーラシア大陸に存在しました。

それはなぜか?

この本によると答えは、ユーラシア大陸が地形的に東西に伸びているからなんだそうです。

反対に、アフリカ大陸とアメリカ大陸はどちらかと言うと南北に伸びています。

地球の気候として、東西よりも南北のほうが気温などの大きな変化を伴います。

これは赤道付近と極点を思い浮かべれば自明ですね。

この気候の変化の激しさゆえ、生物的にも、技術や文明の伝播的にも南北への移動というのは起こりづらいようです。

これに対し、ユーラシア大陸は東西に伸びており、気候の変化が少ないので、シルクロードを中心とした交易路の拡大により、お互いの情報や物資の交流、ときに戦争という形で文明を進化させやすい土壌ができていたんだそうです。


食料生産がクリティカルコア

人類の歴史においては食料生産が常に文明の興廃を握っていたようです。

食料生産=人口増加=余剰な労働力=文化、技術的な進歩といった流れですね。

なぜユーラシア大陸に複数の文明が起こり、栄えたのか。

なぜオーストラリアにはつい最近までアボリジニーといわれる先住民族しかいなかったのか。

食料で説明できるそうです。

オーストラリアはその国土面積に対して、アボリジニーの数が少なかったので、原始的な狩猟採集生活だけで、既存の人口を満足させることができました。

農業の必要性がなかったので、食料生産の技術も進歩せず、他の地域で起こったような爆発的な人口増加を起こせなかったことが原因のようです。

食料って大事ですね。


家畜がもたらす疫病が侵略を助ける

ヨーロッパの人々がいわゆる新大陸、アメリカ大陸に侵攻した際、アメリカ大陸にあるインカ帝国アステカ文明という二つの巨大な文明をあっという間に滅ぼしています。

こんなことができたのは何故か?

もちろん、理由の一つは文明レベルの差による兵器の差などがありました。

が、最も重要だったのは疫病だとも言われています。

ヨーロッパ人が現地に持ち込んだ家畜が持っている病原菌に対し、アメリカ大陸の原住民は免疫がなかったので、疫病がものすごい速度で広まり、侵略の大きな助けになったというものです。

史実としては記録も残っているので多分そうなんでしょうが、上記のような侵略の助けになる例と、反対に防衛の一助になる例があります。

ちょっと記憶が定かではありませんが、たしかインドネシアとかニューギニアとかの辺りでは現地のマラリアとか黄熱病的な伝染病が、免疫のない侵略者を撃退したりもしているようなので、一概に侵略者だけを助けるわけでもないですね。

病気って恐ろしいってことで。


20世紀までヨーロッパが世界のリーダーだった理由

中世まではその人口の多さと国土の広さで、中国は文化水準的にも国力としても世界で一、二を争う強国でした。

ところが、19世紀のアヘン戦争を皮切りに、東の島国である日本にまで負けてしまい、つい最近まではあまり強国とは言えない立場にありました。

反対に、中世から大航海時代、産業革命を経て世界を制したのはヨーロッパの小さな国々でした。

なぜでしょう?

その理由は、ヨーロッパが小国の集まりであるのに対し、中国が大きな一つの国であったことがあるようです。

ヨーロッパは小国の集まりで、常に周辺の国々との戦争に明け暮れていました。

大航海時代の新大陸進出も、産業革命も全て周辺の国々に対し、優位に立つための必要性に駆られてのことです。

それに対し、大国であった中国はモンゴルを除き、あまり周りの国々の脅威に晒されるということはありませんでした。

また、ひとつの統一された政治体制のもとにいたので、焚書のような今考えると文明の衰退を引き起こすような愚策でも、その一時の政権の暴走によって実現できてしまった、という負の側面もあります。

やはり、お互いに切磋琢磨しあう健全な競争というのは人類の進歩につながるということがわかります。



私が、人類史1万3000年から学んだ教訓はこんな感じです。

受験するわけでもないのに今さら歴史かよ?ってけっこう会社の人とかからは言われるんですけど、歴史とか生物とか物理とか、学問からビジネスや人生に活かせるヒントって本当に多いんですよ。縮図と言いますか。


最近、はてな匿名ダイアリーで、本を読まない人を見下す的な文章が流行っていました。

その文章では、本を読むことを礼賛していて、マンガやアニメとかから得られるものはないかのように書かれていましたが、自分はそうは思いません。

漫画だろうがアニメだろうが、ましてやゲームだろうが、情報をインプットして吸収する姿勢さえあれば、様々な気づきがあるものです。

大事なのは、目の前にある経験、情報を自分のものにしようとする姿勢だと思います。

情報や知識に貴賎はないのだから。


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