面白きこともなき世を考えて

子育てと競争戦略とゲームと日々のあれこれを適当に。

テレビが視聴率を稼ぐために編み出した小賢しい手法の残念さ

今日はテレビを見ていていつも気になっている、視聴率を上げるため(?)のテレビ局の小賢しい(こざかしい)手法をご紹介。

マスコミが大嫌いなネット民の皆さまなら、きっと共感して頂けるはず。

ちなみに、なんか自分はよくテレビ批判しているので、テレビ嫌いと思われているかもしれませんが、実はけっこう好きな方です。

低俗なバラエティ番組大好き(と媚びておきます)。


定刻よりちょっと前に始まる

まずは番組のスタートから。

なかなか小賢しいな、と思うのが○時ちょうどよりちょっと前に始まる番組。

「7時から」ではなく、「6時56分から」みたいなやつですね。

おそらくは、定刻ちょうどに始まる番組よりも、早くCMを終えて番組を開始することでザッピング層を取り込もうという動きだと思います。

なかなかに小賢しいですね。


番組後半に急増するCM

お次は番組の後半。

時間で言うと一時間番組の35分くらいから急に増えるCM。

みなさんもこれにはけっこうイライラさせられるのでは?

前半で視聴者を離脱させないためにCMを回避しているのか、それとも後半のクライマックスに行ってしまえば離脱しづらいので、CMを集中しているのかは不明ですが。

5分程度番組をやったと思ったら、すぐCMみたいな。

なんらかテレビ局にとって都合がいいので定着した手法なんでしょうが、これまた小賢しいですね。


ハードル上げ過ぎなCM突入

上記にちょっと絡みますが、CMに突入するときのキャッチコピー、宣伝文句も小賢しい。

「このあと○○に衝撃の展開が!」みたいなやつですね。

その大半は、実際たいしたことが起こらなかったりして、肩透かし感が半端ないです。

おそらくCMによる離脱を防ぐために、CM明けもいいことありますよ、ということをアピールしたいんでしょうが。

うーむ。小賢しい。


毎週スペシャル

最後はこちら。

いつも通りの1時間放送なのに、なんだかんだ出演者とかに理由をつけて「○○スペシャル!」みたいな表現をするやつですね。

「○○のできる法律相談所」あたりから始まった気がします。

いまではちょっと進化した(?)手法も現れて、「お○しか!」と「○さま!」のような前後の番組をなぜかグルーピングして「合体スペシャル!」みたいな表現も流行っています。

別に特別でもなんでもないけど、スペシャルってつけると視聴率が上がるんですかね?

はい、小賢しい。


テレビの小賢しさは諸刃の剣

さて、ここまで小賢しい小賢しいと散々ほめてきましたが、これらの手法はテレビ局にとって諸刃の剣とも言えます。

短期的には視聴率が微妙に稼げるから浸透したのでしょうが、長期的にみるとテレビそのもののコンテンツの魅力を徐々に損なっていく恐れがあるからです。

例えば、定刻よりちょっと前に始まる番組は、番組冒頭の見逃しにつながり、番組開始直後の離脱、もしくは録画視聴への誘導を促す可能性があります。

また、番組後半に増えるCMは、番組のテンポの良さを損なうことになり、一番面白いクライマっクスが台無しになります。

さらに、CM突入時の大げさすぎる宣伝文句やむやみやたらにスペシャルを付けるのは、いわゆるハードルを上げる行為に該当し、その文句と実際のコンテンツの落差で番組をよりつまらなく感じてしまうこと請け合いです。

演者であるお笑い芸人たちはいつも、ハードルの上げ過ぎは厳禁とビクビクしているのに、編集側はあまりに無頓着じゃありませんかね?


思うに、こういった小賢しい編集手法はテレビの中における、他局との視聴率争いの中で生まれたのでしょう。

テレビを見るのが当たり前の時代に、どうすれば他の番組よりも目立つことができるか?という視点に立っている気がします。

現在の環境を考えると、あまりに近視眼的、狭量と言わざるを得ません。

今はテレビと他の娯楽とで余暇時間を奪い合う戦いです。

そんななかで、いくら目の前の数字が多少良くなるからと言って、自分たちのコンテンツの面白さを損なうような運営をしていては、客足は遠のくばかりです。

いい加減、そういう古臭い手法から脱却して、本当にユーザー目線の番組開発を目指してはいかがでしょうか?


それとも、テレビのメインの視聴者層はこういう小賢しい手法が効果てきめんなレベルなんでしょうかね?

でも、そうやって新しい視聴者層を獲得しようとしない方針こそが、今のテレビの衰退を招いて来たわけですが。

今日はこのくらいにしておきましょう。



全然話は変わりますが、「小賢しい」のパワーアップ版として「賢しい(さかしい)」という言葉もあるんですよね。

現代ではあまり使われませんが、ガンダムシリーズのハマーンさんやプルツーさんはよく愛用していますね。

用例.「さかしいよ、シャア!」

そんな賢しいの正しいイントネーションが聞けるのはこちらから↓