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丸亀製麺が店舗での調理にこだわる2つ目の理由とは

生後二週間の娘の便秘解消法を考えすぎて、ブログを書く暇がありません。

なので今日はちょっとだけ。


先日4/25放送のテレビ東京系列「カンブリア宮殿」は、さぬきうどんチェーン「丸亀製麺」の特集でした。

丸亀製麺は自分の中で「一度も行ったことないけどちょっと気になる店」として常に上位にランクインしてました。

自分は食べたことないけど、なんか周りで評判がいいんですよね。

今回は、その丸亀製麺のちょっと逆説的な戦略を紹介。


店舗調理へのこだわり

丸亀製麺のウリといえば、チェーン店なのに麺も、スープも、天ぷらも、おにぎりも全て各店舗での手作りという点があるようです。

通常、大手の飲食チェーンの場合、セントラルキッチンなどと言われるメニュー生産の工場があり、料理の工程の大半はそのセントラルキッチンで行い、最後の仕上げ、盛り付けのみを店舗でやるのが一般的です。

そのほうが圧倒的に効率的で、コストを抑えられますしね。

ところが、丸亀製麺はそのセントラルキッチン方式を捨て、あえて店舗での調理にこだわるようです。

その理由の一つは、当然そのほうができたての状態で顧客に食べてもらえるので、他店に比べて美味しくできるという単純なものですが、どうもそれだけではないようです。

丸亀製麺が店舗調理にこだわる理由、それは、、、


「より良い人材を集めるため」


なんだそうです。


業務内容が生み出す人材の差別化

どういうことかというと、丸亀製麺も他の飲食チェーンと同じくパート・アルバイトが店を運営するうえでの主力になっています。

通常、パート・アルバイトの仕事というと、大手になればなるほどマニュアルがしっかりしていて、決められたことを決められた通りにやればいい、という風潮があります。

当然、そういうマニュアル通りに働くほうが楽でいい、という人も多くいて、創意工夫など求められても困ってしまう、という人も多いでしょう。

ところが、丸亀製麺は店舗での調理工程が多いので、どうしても他店より「考えて働く」必要が出てきます。

すると、どうなるか?


マニュアル通りにしか働けないパート・アルバイトは集まらなくなり、反対に、労働形態としてはパートタイムでしか働けないけど、創意工夫を発揮し、熱意を持って働きたい、という人が多く集まってくるようになります。

どちらの従業員を集めたほうが、繁盛する店が作りやすいかは言うまでもありませんよね。

いわば、同一地域における労働力の質の差別化ができるわけです。

丸亀製麺としては、パートタイマーを主力にしつつも、その利益の根源たる「うどんの旨さ」を維持するためには、レベルの低い従業員に妥協するわけにはいかないのでしょう。

一見、効率の悪そうに思える店舗での調理にこだわる姿勢は、直接的に味を高めるだけでなく、労働の質の差別化を生み出し、間接的に自社のうどんの質の維持に貢献しているというわけです。

こういうのを戦略の肝、「クリティカルコア」なんてかっこよく表現したりします。

さらに、丸亀製麺ではこの「優秀なパートタイマー」を獲得し、さらに維持・強化するための制度として、パートタイマーの店長への登用を行なっているそうです。

単純だけど実によくできているし、「一見非効率」なだけに、競合他社としては真似がしづらく、これはまだまだ丸亀製麺の躍進は続きそうですね。


久々に見たきれいに戦略がハマっている事例として感激したので、筆を執った次第。

いつか娘が大きくなったら、一緒に丸亀製麺を食べに行こう。


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