面白きこともなき世を考えて

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中ぐらいのスキルを組み合わせる方が一つのスキルを極めるよりも良い理由

ちょっと気になった記事があったので。

「中くらいのスキル」×「中くらいのスキル」で「ニッチな希少人材」を目指す (1/2) : J-CAST会社ウォッチ


この論調、すごく同意。

昨今では、なんでも一通りできるゼネラリストとある一つの物事に特化したスペシャリストだと、圧倒的にスペシャリストをありがたがる風潮があります。

まあ人材としてのポジショニングということを考えていくと、特定の分野に特化することは他者との差別化につながるので大きく間違ってはいないと思います。

が、ゼネラリストが行き場がない、というのは間違いだと思います。

ゼネラリストには「いろいろできる」という明確なポジショニングがありますので。


ここで上記記事に戻ります。

スキーでいうと、「クラウン」というレベルに達し、プロスキーヤーともなれば、希少な人材として生き残ることはできます。しかしその領域に至るためには特別な「才能」が必要で、誰もがなれるわけではありません。
   一方で「才能」が要らないレベルのスキルは、お客さんが減少したり参入者が増加したりしたときに大きく影響を受けます。海外に仕事を取られてしまうこともしばしばです。
   そんな天賦の才能がない(世界のほとんどの)人たちは、どうやって生きていけばよいのでしょうか。私は、それなりの難度のスキルを複数身につけることによって、ニッチな分野で突出するのが得策だと思います。
   例えば「スキー」というスキルに「中国語」を組み合わせて、「中国人にスキーを教える」というニッチな分野で突出するというわけです。

 
ある一つのスキルを極めるのではなく、そこそこのスキルをうまいこと組み合わせることで「あれとこれが両方できる」というユニークな人材になることができます。
 
なんだかPS版ドラクエ7の職歴システムのようで素敵ですね。
 
この組み合わせ型のメリットは、何と言ってもコストが低いことです。その次元に到達するまでの。
 
一般に、一つのスキルをレベルアップしていこうと思ったら、序盤ほどかけたコストと伸びる能力値のバランスがいいと思います。
 
で、終盤になると勉強してもしてもなかなかレベルが上がらなくなります。
 
このあたりはドラクエなどのレベル上げもそうですし、テスト勉強における平均点を目指すときと満点を目指す時の違いなどで、よく語られたりしますね。
 
飽きっぽい人もなんとかできるのが良い。
 
ちなみに、会社における自分が完全にこのような中途半端な半スペシャリストみたいなポジションなので、願望を込めて応援しているという側面もあります。
 

現在、日本は人口減少のまっただ中で、サービス業の仕事も減少しています。例えばスキー人口は、2000年ころと比べて約25%減っており、特に若い人の新規流入が減っています。

 
少子高齢化により、今後の日本の人口は間違いなく減少していきます。
 
当然、国内における消費は徐々に少なくなっていきますので、上記のように特に国内で売上が発生するサービス業は競争が激しくなってくるでしょう。企業としても、そこで働く労働者としても。
 
少ないコストで相応の給料を得るために、こういったスキルのうまい組み合わせには注目していきたいと思います。
 
 
ここからは完全に蛇足というか趣味の話になりますが、

スキーのインストラクターになるためには、最低でもスキー検定2級、できれば1級以上が必要です。TOEICでいうところの800点以上をとるくらいの練習が必要になるので、決して簡単ではありませんが、懸命に練習をすれば多くの人が到達できます。

 
自分はここで書かれているスキー検定1級を所持しています。
 
練習すればだれでも到達できる程度のスキルだ、という意見にはまさに同意なのですが、TOEIC800点と同等と言われると、自分にはなんかすごいスキルに思えてきて誇らしいですね。
 
自分からするとTOEIC800点の方がはるかに高いハードルに思えるのですが。
 
このあたりは向き不向きや好き嫌いがある話ですからね。
 
差別化になるスキルの組み合わせと同時に、自分が長く愛していける好きなスキルを見つけていきたいですね、と。