ドラえもんの入試問題を巡る子どもたちの議論に明るい未来を見た
ちょっと前に話題になったドラえもんに関する入試問題の解説。
麻布中学「ドラえもん問題」の真相 (プレジデントファミリー) - Yahoo!ニュース
なんかネット上ではいろいろ論争も行われたみたいで、入試問題というよりはPR戦略としては非常に効果的だったな、と思わざるを得ない。
まあ難関校の問題なんて、どこも同じくらい意味不明ですよ。
肝心の問題内容がこちら↓
「ドラえもん」がすぐれた技術で作られていても、生物として認められることはありません。それはなぜですか
そもそもこの出題については批判もあったよう。
ネット上では「答えが明確に出ない出題は不適切」といった批判や、ストーリーの詳細に立ち入った議論が盛り上がりをみせている。
あれ?答えは明確に出ないんでしたっけ?
国語とかでよくある筆者の心情を問う問題とかに比べたら、ある主張(事実)があって、その根拠を示せ、というのはよほど答えが明確にある気がするんですが。
ちなみにGoogle先生に聞いてみた「生物」の定義はこちら↓
生物が無生物から区別される特徴としては、自己増殖能力、エネルギー変換能力、恒常性(ホメオスタシス)維持能力、自己と外界との明確な隔離などが挙げられる。しかし、この区分は例えば、ウイルスやウイロイドのような、明らかに生物との関連性があるがこれらの特徴をすべて満たさない存在までを区分することが出来ない。このことから言っても、生物と無生物を完全に区分することは困難なことである。
生物 - Wikipedia
まあWikipediaですが。
完全に区分するのが困難な中で主張の根拠を示すのが難しいということですかね。
それはさておき、記事内で紹介されているある塾の子供たちの議論がなかなか秀逸。
ある子供が「(ドラえもんは)自分で成長しない」と発言をした。すると別の子が「ビッグライトを使えば大きくなれるよ。だから、成長っていえる」と反論した。ところが、最初に答えた子はこう再反論したのである。「生物の成長を細胞の増殖とすれば、(ビッグライトで大きくなる)ドラえもんは体内の部品1個1個が拡大するだけなので、成長とはいえないよ」。
また「ドラえもんは交尾しないから生物ではない」と生殖に着目する子供もいた。これに対しても、「ドラえもんがフエルミラー(ドラえもんのひみつ道具の1つ)を使って自力で分身を作りだすことは可能だから、繁殖行為とみなしてもいい」といった機転の利いた意見が次々に湧き出てきた。
うーん、恐ろしい。というか頼もしい。
私はどんどん若い世代に権限移譲していけ派なんですが、改めて正解な気がする。
次の世代は前の世代よりきっと賢いよ。
また、やっぱり中学受験するような子供たちは冴えてますねえ、と思わざるを得ない。
うちの子が成長しても私立受験は金銭的に嫌だなーと思っていたけど、知性の萌芽という意味で同じような環境には据えてあげても面白いかもしれない。
ちなみに、このドラえもん無生物問題に関する自分の回答としては、
「劇中では(たぶん)描写されていないが、ドラえもんには生殖能力があるかもしれない。なぜなら類似の種として考えられるドラミは明らかに女性のジェンダーを持っており、対してドラえもんは男性のジェンダーを持っている。またミニどらというドラえもんの幼児期のようなものも映画には登場したことがある。男女の区別があり、幼児期もあるならむしろ生殖により増えると仮定したほうが妥当ではないか?よって、当該主張である「生物ではない」がそもそも誤っている。」
となります。
うーん、でもこれじゃあ問題の意図を捉えてないしダメだな。
こどもたちの発想ってすごい。