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面白きこともなき世を考えて

子育てと競争戦略とゲームと日々のあれこれを適当に。

ヤバい経営学者のヤバい話から私が得た5つの教訓

続・最近こちらの本を読んでました。

ヤバい経営学―世界のビジネスで行われている不都合な真実

ヤバい経営学―世界のビジネスで行われている不都合な真実


今回は、本書の中から自分が得た気づきを適当に箇条書きで紹介。


日本人以外も他人のまねが大好き

国民性を皮肉った例え話で、沈んでいく船から日本人を飛び込ませるためには、「みんな飛び込んでるぞ!」と足並みをそろえさせる発言をするのが効果的、とかいうのがあります。

ところが、本書によるとこのような傾向は日本人だけでなく、ごくごく人間的な性質のようです。

あるエリアの家庭に電気代を節約させるための社会実験を行いました。

各家庭にはランダムに以下の1~4のメッセージを放り込みます。

1.節約しよう!環境のために
2.節約しよう!社会のために
3.節約しよう!あなたの出費を減らせるのだから
4.節約しよう!みんなやっているのだから

一番効果があったのは4のメッセージだったそうです。

人間みんな横向きですね。


成功しすぎた基幹事業は新規事業を阻害する

インテルの話です。サッカーじゃない方の。

インテルは主力であるMPU事業が好調過ぎて、他の新規事業を模索することができなかったと言います。

主力事業の業績が成長率、利益ともによすぎると、そもそも新規事業を考えるよりも、既存の本業に集中したほうが効率的に思えるので、ついついさぼってしまうということがあります。

または、立ち上がったばかりの新規事業を既に収益化ができている既存事業と比較してしまい、辛すぎる評価をしてしまったり。

このあたりはうちの会社でもけっこう同じようなことをしているので、骨身に沁みました。

一本太い事業の柱があると、会社の経営としては当然安定するわけですが、ついついそっちに甘えたり引きずられたりして次の成長を阻害することがあるよね、という話です。


優秀な経営者はみんなナルシスト

別に優秀な経営者になるための必要条件がナルシストである、というわけではない。もちろん。

ナルシストな経営者というのは、自分を大きく見せようとするので、とかく大胆な経営判断を好む。大型の買収や投資など。

それに対し、ナルシストではない経営者は手堅くビジネスを遂行し、周りの人の意見にも耳を傾けるので、派手な成績はおさめない。

勘違いしてはいけないのが、ナルシストとそれ以外の経営者を比較すると、平均的な業績はナルシストでない場合の方が良いことが多い、ということです。

ただ、ナルシストな経営者は大勝ちすることもあれば、大負けすることもある。要は振り幅がでかいということになります。

ところが、優秀な経営者として表彰されたり、メディアの脚光を浴びたりするのは、たまたま大勝ちした経営者に限られるので、世の中の優秀な経営者だけを抜き出すと、ナルシストが多いことになる、ということのようです。

一種の選択バイアスとも言えますね。

手堅い経営者は爆発的な業績を残さないので、あまり注目を浴びないと。


トップを取るには馬鹿になるしかない

前述のナルシストな経営者の選択バイアスと同じような話ですが。

完全な実力勝負ではなく、多少の運やギャンブル性を伴う勝負では、リスクを取ってリターンを取りに行く必要があります。

そんなときに、平均以上の成績を残すだけであれば、リスクが少なく、リターンの大きい選択を吟味したうえで積み上げていけばいいことになります。

ところが、トップを取ろうと思うとそうはいきません。

多くの人が考えるような普通の選択を繰り返しているだけでは、平均レベルの成績しか残すことができないのは自明です。

そうなると、あえて普通の人が選択しないような、ハイリスクハイリターン(しかも、リスクの方が大きいような)な選択をする必要があります。

よって、ビジネスなど運が大きく絡む世界ではトップを取るのは、必ずしも賢い人間ではなく、むしろ過大なリスクにも恐れず進む馬鹿であり、その中でも限りなく運のいい人間だと言えると思います。

褒めてるんですよ?


取締役のクローン化現象

とある実験によると、経営者や取締役は自分に似た人を好んで採用する傾向があるようです。

その理由は前述のとおり、彼らはナルシストであることが多いからですかね。

自分のような人間こそが最も優れていると信じて疑わないために、部下などにも自分と同じタイプの人間を採用してしまうというわけです。

例えば私が所属しているようなオーナー企業の場合は、経営者自身が大株主でもあるので、経営者自身の権力が極めて強く、牽制が効かなくなります。

すると、取締役も自分と似た人たちを選任するようになります。だれにも止められないので。

そんな取締役たちは、また自分と似たような社員を採用し、、、ということでこの連鎖が続いていくと、会社の中の大半が同じようなタイプの人間で埋まってしまうのです。

良く言えば一枚岩ですが、逆境に弱い極めてもろい組織ができると言えるのではないでしょうか。

心当たりがあり過ぎて笑った。



いかがでしょうか?

本書を読んでいるときは、なんかあんまり役に立たないなあ、と思っていたのですが、意外と読み終わってこうしてブログでまとめてみるとけっこう良い教訓が得られてたのでびっくりです。

考えを整理したり、振り返る意味でもブログの書評って有効ですね。

というわけで、気になる方はぜひ一度読んでみてください。

ヤバい経営学―世界のビジネスで行われている不都合な真実

ヤバい経営学―世界のビジネスで行われている不都合な真実