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それでも自分の強みを活かすという発想はアホではない

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自分の強みを活かすというアホらしい発想 - Chikirinの日記

自分としては「強みを活かす」という発想は個人としても会社としても大事だと思っているので少し反論します。

この「自分の持っている価値あるものを活かして○○する」という発想法のリスクというか、限界については、しっかり意識しておいたほうがいいです。
これって、あきらかに「供給者視点」であって「消費者視点」じゃないでしょ。そこが致命的なんです。

 
これ自体は正しい、と自分も感じます。
 
「強みを活かす」という「供給者視点だけ」を持って、サービスなり商品を作っても、まあそれが偶然「消費者視点」に合致しない限りは、いくら強みを活かそうとまったく売れない商品ができがりますわな。
 

「差別化」ってのは対競合の視点であって、対顧客の視点の言葉じゃないんだよね。競合と顧客、まずはどっちを見るべきなのか、よくよく考えたほうがいい。
てか、まずは顧客を満足させ熱狂させるのが最初でしょ。競合のことはその後でいい。

 
これにはちょっと違和感があります。
 
競合ばかり意識して、ただただ「違い」を追い求めて差別化した結果、消費者にまったく支持されなくなった、というのは確かに問題でしょう。
 
ただ、消費者視点だけを持って、差別化を何も意識しなければいいかというと、そんなことはない。
 
仮に、消費者が求めるものに一つの正解があるとして、全ての企業がそれを追い求めっていたら、世の中にはiPhoneのパチモンがあふれかえることになります。
 
そうではなく、A社のiPhoneが○○だから、我がB社としては××なiPhoneを出す、というのを消費者視点で考えることは非常に大事だと思います。
 
そこに、差別化なり、自社の強みといった発想がないと、結局はiPhone内での壮絶な値下げ競争、たたき合いが発生するだけですから。
 
まとめると、「消費者視点」に軸足を置いて、「差別化」や「自社の強み」を検討するのが大事、ということでしょうか。普通過ぎて何を書いてるかわからなくなってきましたが。
 
ちなみに、

人間は「やればできること」ではなく、「やってて楽しいこと」に人生の時間を使うべきなんです。

 
これとか、「供給者視点」の最たるものだと思うんだけど、これはいいのかなあ?
 
部分的にはこの意見に賛成なんだけど、文章全体の流れとして矛盾しているように感じて気になりますね。
 
 
個人的には、消費者の欲求なんて多種多様だし、すぐに移り変わってゆくものだから、自社の戦略においてはむしろ意図的に「競合との差別化、違い」を意識して作っていたりします。
 
それこそ、よほど消費者視点を外さなければ、競合と違う一定の層の支持を得られるはずなので。
 
反対に、差別化の意識をなくして「消費者視点」だけを持って話してると、完全に競合と同質化の道を歩むことになるんですよね。
 
リンゴのマークの会社のような、巨大資本においてはたった一つのベストアンサーを追い求めていけば、他社を追い落とすことは可能なんでしょうが、そんなことは大手にしかできない話なんですよ。
 
世の中の大半を占める中小企業は、消費者視点は捨てないけれど、それ以上に大手との差別化を考えないと力で押し負けちゃうんです、というだけのお話。


ちなみに、自分の戦略論の大半はこちらの本に影響を受けて書いています↓